40年以上前の話です。会社の新人時代のこと現場研修というのがありまして、そこの係長にお世話になりました。その係長の机のマットの下にメモが挟んであり、それには以下のような言葉が書いてありました。
「春三 夏六 秋一 無冬」
私が尋ねると、係長曰く「しゅんさん、かろく、しゅういち、むとう」と呼ぶそうで、貝原益軒 の養生訓にあって、季節における男女の営みの回数を言ったものだとか。
しかし、いま思い出して調べてみると、そういう俗説が広まっていますが、出典は養生訓ではないようです。
養生訓では「接して漏らさず」が有名ですね。
とはいえ、その時は、養生訓はなかなか面白いものだなと思った記憶が残りました。
以来40年養生訓の本とは無縁でしたが、この度Amazon オーディブルで「超訳 養生訓」(貝原 益軒 著 奥田 昌子 編訳)を聞きました。
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超訳 養生訓 より気になったポイント
1.養生とは「心を静め、体を動かす」ことである
養生すると言うと、体を安静にして過ごすことを思いがちですが、まったく逆で「体を動かす」ことが大事。
2.養生のコツは、好きなものを少量食べる
私も「美味しいものを少し食べる」ようにしようと思いますが、これがなかなか難しいですね。
養生訓にも、色欲より食欲が難しいとあります。
3.高齢者は薬に頼る前に食養生
私の両親を含めて、毎日たくさんの薬を飲まされている高齢者は多いです。
NHKラジオで聞いた話ですが、認知症と診断された81歳の男性が、毎日飲まされていた薬を8種類から3種類に減らしたら正常に戻ったということです。その男性は、MMSE:ミニメンタルステート検査の点数が21点から29点に戻ったそうです。
今のクスリ漬け医療の犠牲になってはいけません。
4.欲と怒りを抑えることが養生の道
感情、とくに欲求と怒りをコントロールすることが長寿につながる。
私の人生や平素の生活を振り返っても、これは私の大きな課題です。
感想とまとめ
オーディブルで朗読を一度聞いたものです。正確でない部分があるかもしれません。
お釈迦様やニーチェなど超訳シリーズは色々ありますが、超訳し過ぎて内容がかけ離れていて「これって超訳者の意見じゃないの」と思われるものが少なくありません。そのなかでこの本は原本に忠実な方だと思われます。
余談ですが、「接して漏らさず」については、元になった中国の房中術では本当に漏らさないわけではないと聞きます。「氣」を十分巡らしてから漏らすということらしいです。