「背中が痛い」と訴えた父親(86歳)を近くの病院に連れて行ったところ、大動脈解離とのことで、緊急のため、ドクターヘリで県庁所在地にある大病院まで搬送されました。
その際、医師からの要請で、付き添っていた息子の私も、ドクターヘリに同乗しました。
「家族のドクターヘリへの同乗はできない」とするところが多いと聞きます。が、父の場合は、手術の同意が必要であったり、命の危険があるため(死に目に会えない可能性もある)、同乗を頼まれたものかと推測します。
*3年前に帰省していた時の話です。貴重な体験でしたので、書いておきます。
1.なかなか来ないドクターヘリ
ドクターヘリは、全国43道府県に53機しかないそうです。
https://www.komei.or.jp/komeinews/p23824/
だいたい各県1台なので、ドクターヘリは忙しいようです。
ドキドキしながら待っていましたが、ドクターヘリを要請した、と聞いてから実際にやってきたのは2時間ほど経った後でした。
正直言うと救急車であれば半分以下の時間で着いたハズです。
実は1度他の患者さんを運んでから、折り返して、父を搬送しにやってきたようなのです。
たまたま、親戚が近所で畑作業をしながら、ドクターヘリが往復するのを見ていたそうで、そう言ってました。
2.乗る前の注意事項
ドクターヘリがやって来ると、同乗者の私が最初に乗せられます。
乗る前に「車酔いしますか?」と聞かれました。
「したことがない」と答えましたが、気分が悪くなる人は多いとのことです。
気分が悪くなったら、向かいに座るスタッフの膝を叩いて知らせるようにと言われます。音が凄いので、話声は聞こえないためです。
3.乗っているときは何もしない
乗ると、パイロットが、シートベルトを装着してくれます。
それから器具に触らないように注意を受けます。
とくに、ドアのところのボタンは無闇に触ると、ドアが開いてしまうということでした。
シートベルトは、外すときもパイロットがやってくれます。
そんなわけで、同乗者はヘリでは、とにかく何もしないことが大事なようです。
4.大音量に耐える
エンジンを掛ける前に、イヤーマフを装着します。
それでも飛行中は、イヤーマフをしていても耳をつんざくような爆音がします。
爆音は、角度によって、大きさが変わってきて、正面から少し斜めを向くとかなり響きますが、もっと首を窓の方まで向けると大分マシになりました。
しかし、段々下から突き上げるような感じがしてきました。正直吐き気まではしないものの、気持ちが悪くなりました。
飛行時間は10数分でしたが、父親の心配と自分の気分の悪さで、非常に長く感じました。
飛行中は揺れることもなく、また離発着でも、飛行機と違って、ショックをまったく感じませんでした。
5.ドクターヘリの搬送費用
ドクターヘリの搬送費用は無料だそうです。
ドクターや看護師さんが同乗するので、保険診療としての往診料、救急搬送診療料は、かかります。3日後くらいにドクターヘリを管轄する日赤病院から私に電話があって、2,700円也(1割負担)を支払いに出向きました。
以上、なかなかたいへんでしたが、おかげさまで命はなんとか取り留めました。
緊急医療のスタッフの方々には本当に感謝ですm(__)m